アラバマ州ハンツビル – 2021年7月15日 – 米陸軍は、ノースロップ ・グラマン社(NYSE: NOC)の統合ミサイル防空(IAMD)戦闘指揮システム(IBCS)を使用した開発段階の実射試験において、非常に厳しい電子戦攻撃環境下での巡航ミサイル目標の迎撃に成功しました。

US Army IBCS Flight Test Demonstrates Joint Engagement in Electronic Attack Environment___Japan_1
今回の試験では、米海兵隊のG/ATORレーダー、米陸軍のセンチネルレーダー2台とペトリオットシステムのレーダー、そして米空軍のF-35戦闘機2機を含む、これまでで最も多種類のセンサーがIBCSの試験のためにIFCN上に統合されました。

ニューメキシコ州ホワイトサンズミサイル実験場で行われた試験では、IBCS と米海兵隊のAN/TPS-80 Ground/Air Task-Oriented Radar(G/ATOR)の統合が実証されました。G/ATOR レーダーもノースロップ ・グラマン社製です。実射試験には、統合航跡管理能力(JTMC)初となる実環境試験および実証が組み込まれました。JTMC は、IBCS と米海軍の共同交戦能力(CEC)を連携させ、G/ATOR レーダーによる航跡情報をIBCS の統合火器管制ネットワーク(IFCN)上で共有することを可能にします。この実射試験の構成には、IFCN 上で統合された2 機のF-35 戦闘機もロッキード・マーティン社の支援も得て組み込まれました。F-35 の機上センサーは、IBCS が迎撃を行うために使用する複合航跡の生成に貢献しています。

ノースロップ ・グラマン社コンバットシステム・ミッションレディネス部門バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーであるクリスティン・ハービソンは次のように述べています。「複数の軍種のセンサーがさらに統合されることは、マルチドメインにわたって各種のセンサーを組み入れ統合するIBCS のアーキテクチャと設計の潜在力を引き続き示しています。統合作戦を可能にし、様々な周波数帯で運用される複数のセンサーを活用することによって、IBCS は電子戦攻撃環境下においても運用を行うことができました。これにより兵士は脅威を識別、追尾、そして最終的に迎撃することができます。」

試験では模擬巡航ミサイル2発が標的として発射されました。1発は、レーダー機能を妨害する電子戦攻撃を行い、もう1発は味方のアセットを攻撃する脅威プロフィールで飛行しました。 第6防空砲兵第3大隊航空・ミサイル防空試験分遣隊の兵士がIBCS を使用して、標的の模擬巡航ミサイルを追尾し、脅威となるミサイルの識別を行い、PAC-3迎撃ミサイルを発射しました。

この直近の実射試験の成功で、IBCS の試験において、米海兵隊のG/ATOR レーダー、米陸軍のセンチネルレーダー2台とペトリオットシステムのレーダー、そして米空軍のF-35 戦闘機2機が参加し、これまでで最も多種類のセンサーがIFCN 上に統合されました。

窒化ガリウムを用いたAN/TPS-80 G/ATOR レーダーは、広範囲の多様な脅威に対し、360 度、フル・セクターの状況把握および追尾をリアルタイムで総合的に行うことのできる、デジタル・ソフトウェア化された先進多機能AESA レーダーです。

今回を含め、IBCS プログラムの開発もしくは運用のための実射試験はこれまで8回成功裏に行われてきました。今回の試験は、今秋に開始する初期運用試験評価(IOT&E)フェーズに先立ち、リスクを軽減する目的で実施されました。IOT&E は、システムの実用化に先立って、IBCS システムの性能を総合的にテストするもので、実戦的な運用環境下において実施されます。IOT&E は米国防総省及び米陸軍に、初期運用能力付与の決定のもととなる情報を提供します。

ノースロップ ・グラマン社は、IBCS によりオール・ドメイン統合指揮統制の先駆者となっています。IBCS の高い抗堪性、オープンでモジュール化され、スケーラブルな設計は、軍種やドメインに限定されず戦闘空間において利用可能なあらゆるアセットから成る、真の意味で統合されたネットワークの展開の根幹を成すものです。IBCSは、現在と将来のシステムを効率的かつ経済的に統合することを可能とし、それにはIPネットワークを通して配備されたアセット、対無人航空機システム、第4世代及び第5世代戦闘機、宇宙配備センサー等が含まれます。IBCSは、進化する経空・ミサイル脅威を探知、識別、追尾し、そして撃破するシステムであり、革命的な「オール・ドメインで、全てのセンサーを活用し、最適な手段で迎撃する」作戦を具現化するものです。

ノースロップ・グラマンは、宇宙、航空、防衛、サイバー空間において、世界中の私たちのカスタマーの変化するニーズに応えるべく、最も困難な問題を解決しています。私たちの9万人の従業員は、先進的なシステム、製品、そしてサービスを創造するため、科学、テクノロジー、エンジニアリングを駆使して可能性の限界に日々挑戦しています。