ツーソン(アリゾナ州) – 2021年9月27日 – ノースロップ・グラマン社と協力して、レイセオン・テクノロジーズ・コーポレーション(NYSE:RTX)のレイセオン・ミサイルズ&ディフェンスは、吸入空気式のスクラムジェット推進極超音速ミサイル(HAWC:Hypersonic Air-breathing Weapon Concept)の飛行試験に初めて成功しました。HAWCは米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)と米空軍向けのもので、両社はプロトタイプ・システムを米国防総省へ引き渡す予定です。
飛行試験において、HAWCはリリースされるまで航空機の翼下に搭載されていました。数秒後、固体ロケットモーターがHAWCを超音速まで加速し、そこでスクラムジェットエンジンが点火されてさらにミサイルを加速し、極超音速飛行を達成しました。飛行試験はHAWCのエアフレームと推進システムが極超音速に到達し巡航可能な能力を備えていることを実証しました。
レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスの先進テクノロジー担当のバイス・プレジデントのコリン・ウィーラン氏は以下のように述べています。「この飛行試験は我々が初の運用可能な極超音速スクラムジェットミサイルを引き渡すことができることを証明しました。これにより、戦闘能力が大きく向上することとなります。」
スクラムジェットエンジンは、ミサイルの高速度を用いて、吸入する大気を燃焼前に強制的に圧縮することにより、音の5倍以上の速さである極超音速のスピード(マッハ5以上)を保つことを可能にします。このようなスピードで飛翔することで、HAWCのような極超音速兵器は、従来のミサイルよりも標的により早く到達でき、敵の防衛システムを回避する可能性を高めることができます。
ノースロップ・グラマン社の兵器システム担当のバイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーのダン・オルソンは次のように述べています。「我々は軍にとってゲーム・チェンジャーになる能力を引き渡すマイルストーンに到達しました。これまで数十年にわたって先進的な製造技術と産業界のパートナーシップから学んできたことが、今日達成したことに結実したのです。」
両社は2019年に、ノースロップ・グラマン社のスクラムジェットエンジンを開発・生産し、レイセオン社の吸入空気式の極超音速兵器にインテグレーションするための協定に署名しました。この協定によって、両社が持つ能力を結びつけて開発を加速し、次世代の戦術ミサイルシステムの生産にあたって即応性を示すことができました。
レイセオン・テクノロジー社について
レイセオン・テクノロジーズ・コーポレーションは航空宇宙及び防衛分野の会社として、先進的なシステムとサービスを全世界の民間、軍、そして政府のカスタマーに提供しています。コリンズ・エアロスペース、プラット&ホイットニー、レイセオン・インテリジェンス&スペース、レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスというこの産業分野をリードする4部門を擁し、アビオニクス、サイバーセキュリティ、指向性エネルギー、電気推進、極超音速、そして量子物理学を進展させる様々なソリューションを提供しています。レイセオン社とユナイテッド・テクノロジーズ社の航空宇宙事業が2020年に合併して誕生しました。本部はマサチューセッツ州ウォルサムにあります。
ノースロップ・グラマン社について
ノースロップ・グラマンは、宇宙、航空、防衛、サイバー空間において、世界中の私たちのカスタマーの変化するニーズに応えるべく、最も困難な問題を解決しています。私たちの9万人の従業員は、先進的なシステム、製品、そしてサービスを創造するため、科学、テクノロジー、エンジニアリングを駆使して可能性の限界に日々挑戦しています。