2019年8月29日アラバマ州ハンツビル

米陸軍およびノースロップ・グラマンは29日、陸軍のIBCS (Integrated Air and Missile Defense (IAMD) Battle Command System)の統制による、センチネル(Sentinel)およびパトリオットレーダーとPAC-3迎撃ミサイルを用いた長射程からの巡航ミサイルの迎撃に成功した。 ミサイル迎撃試験は既存のパトリオットシステムの対処距離の限界を大幅に超える場所に位置する低高度目標に対するIBCSの探知・追尾・交戦能力を実証することとなった。

Northrop Grumman Intercepts Missile at Long Range During Flight Test - Japanese

ノースロップ・グラマン社ミサイルディフェンス&プロテクティブシステムズのVP&GMのダン・ヴァーウィールは「この試験はIBCSが「エンゲージ・オン・ネット」をはじめとする次世代コンセプトを実現する能力を有することを示す重要なイベントとなった」と語った。 また、「本試験はIBCSが「シュート・ルック・シュート」の機会を提供することによって「戦闘空間を拡大」することも示しており、より一層の高度化が進む脅威に対する迎撃確率を向上させる重要な意味を持つ」と述べた。

加えて「実際の運用環境に近い条件下での試験が成功したことにより、 策源地により近い位置での迎撃が可能となることで得られるあらゆる利点を含め、IBCSがもたらすトランスフォーメーショナルな戦闘能力の獲得がより確実となった」と説明した。

迎撃試験はニューメキシコ州ホワイトサンズミサイル試験場で行われ、巡航ミサイルを模擬した無人標的が低高度を飛翔し、米陸軍IAMDタスクフォースがアセットを防護するシナリオにて実施された。 防空側は、中隊と大隊レベルの各IBCS交戦運用センター(EOC)、パトリオットレーダ1式とセンチネルレーダ2式、PAC-3発射装置2式を其々の構成品レベルでIBCS統合射撃管制ネットワーク(IFCN)に接続して実施された。 低高度での飛翔経路により目標がパトリオットレーダの捜索範囲に入らなかったものの、IBCSは2台のセンチネルレーダーの測定データを用いた合成航跡(コンポジット・トラック)を生成し、交戦ソリューションを割り出した。 IBCS交戦運用センターのオペレータは、IBCSミッション・コントロール・ソフトウェアを介して、PAC-3迎撃ミサイルの発射を指令し、目標を迎撃した。

米陸軍のミサイル・宇宙PEOを勤めるロブ・ラシュ少将は「8月の実射試験は、対処が難しい脅威を無力化するために、火力と各種センサとを統合するIBCSの重要な能力を改めて示すことになった」と延べ、「IBCS能力を得たパトリオット大隊は新装備訓練を受けている最中であり、隊員は今後数ヶ月間システムの研修と部隊レベルの戦闘シミュレーションを実施した後、来夏の運用試験や実射試験に入る。今週成功した試験はシステムの相互運用性とハードウェア・ソフトウェア設計の成熟性を示しており、これらが隊員の研修と試験を支えることになる」と語った。

従来のIAMDにパラダイムシフトをもたらすと形容されるIBCSは、次世代のネットワーク型アプローチを取ることでストーブパイプ型のシステムを代替し、高度化する脅威へより高い対処を可能とする。 IBCSは様々なレーダや武器を統合し、より効果的なIAMDエンタープライズを構築する。 IBCSは統合単一航空状況図(SIAP)を過去にない精度でインテグレートし、より広域を監視し防護範囲を拡大する。 IBCSは、真のオープンシステムアーキテクチャを採用することで、既存および将来のセンサの統合を可能にし、ジョイントのC2と弾道ミサイル防衛システムのインターオペラビリティ―を実現する。

IBCSは、アラバマ州レッドストーン兵器廠の米陸軍ミサイル&宇宙PEOが所掌する米陸軍制式プログラム。