ハンツビル(アラバマ州) – 2023年4月13日 – 米国防総省はノースロップ・グラマン(NYSE: NOC)の統合戦闘指揮システム(IBCS)の全規模量産(FRP)を承認しました。この決定は米陸軍がこのパラダイムチェンジをもたらすシステムを展開する能力を加速させ、センサー・指揮官・兵器の統合を実現させます。またこの決定によって、米陸軍による防空ミサイル防衛の最新化戦略の重要な基盤としてのIBCSの重要な役割が確認されました。

Northrop Grumman's IBCS Approved For Full Rate Production Readying Transformational System For Fielding Around the Globe - Japan
試験のためニューメキシコ州ホワイトサンズミサイル実験場に設置されたIBCS装置(写真提供:米陸軍)

IBCSはすべてのセンサーとエフェクターを迅速に連接し、仮にセンサーの一つが作動不能になっても、統合ネットワークを通して火器管制が可能なレベルのデータを伝送し、360度の視界を提供します。この能力は状況認識を強化し、より効率的なリソースの管理・使用を可能にし、同盟国・パートナー国との統合も可能にします。

ノースロップ ・グラマン社コンバットシステムズ・ミッションレディネス部門バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーであるレベッカ・トロゾーンは次のように述べています。「IBCSはあらゆるセンサーからのデータを融合することによって単一の統合された空域状況ピクチャを作り出します。それによって指揮官は戦闘空間全体を見通すことが可能になり、複合的な脅威に対抗できる最適の兵器を使用することができます。ノースロップ・グラマンはIBCSの迅速な展開の実現に米陸軍と共にコミットしています。」

FRP承認によって米陸軍はIBCSを防空部隊に配備するスケジュールを立てることが可能になります。全世界における米国の国益のために、IBCSは統合防空ミサイル防衛に最先端のオールドメイン指揮・統制能力を提供します。ポーランドはIBCSを防空ミサイル防衛の最新化のための中枢システムとして採用しました。さらに多くの米国の同盟国・パートナー国に採用されるにつれ、IBCSは非常に高度なレベルでの同盟国等間での相互運用性とネットワーク統合を可能にします。

今回のFRP決定はIBCSプログラムにおける最新のマイルストーンです。2022年11月に実施されたこれまでのパラダイムを打ち破るような開発テストにおいて、IBCSはペトリオットのレーダーを用いないシステム・アーキテクチャのもとで、ぺトリオットミサイルを発射して模擬巡航ミサイル標的を迎撃しました。このテストにおいて、IBCSはシステム・アーキテクチャの柔軟性と、統合されたセンサーとエフェクターの能力をネットワーク上で最適化する能力を実証しました。さらに、IBCSのソフトウエア開発に適用されている「アジャイル・フレームワーク」のもとで、迅速な能力強化が行われ、出現しつつある脅威への対応が可能となっています。

2021年12月にノースロップ・グラマンは14億ドル(約1860億円)の低率初期生産(LRIP)及び全規模量産(FRP)契約を受注し、2022年後半にはIBCSプログラムの初期運用試験評価(IOT&E)が完了しました。IBCSの初期運用能力(IOC)獲得の発表は2023年に予定されています。

IBCSは、製造元、軍種やドメインに制約されず戦闘空間において利用可能なあらゆるアセットの共通の火器管制ネットワークへの統合にとっての根幹となる、オープンでモジュール化された、スケーラブルなアーキテクチャを提供します。そのアーキテクチャは現行のシステムのみならず、将来のさまざまなシステムも効率的かつ低コストで統合することが可能であり、また各種センサーとエフェクターを固定セットでなくそれぞれ独立して用いることによって戦闘空間を拡大させます。このような高度なレベルのネットワーク統合が可能になることにより、戦闘部隊は、意思決定にあたってこれまで考えられなかった時間的余裕を得ます。これまでの多くの開発・運用テストと実証の成功を通して、IBCSは多軍種のセンサー・データを多軍種の兵器に連接・融合する能力を確証し、オールドメインC2(JADC2)能力を実際に示してきました。

ノースロップ・グラマンは、航空宇宙と防衛技術分野におけるグローバルなリーディングカンパニーです。時代を切り拓く弊社のソリューションは、カスタマーが世界と繋がり、また世界を守るために必要な能力を提供し、人類の探究の境界を広げています。カスタマーの最も困難な問題を解決するという共通の目的を原動力として、弊社の9万5千人の従業員は可能性の限界に日々挑戦しています。